宅配ボックス選びで失敗しやすいサイズ設計の考え方

宅配ボックス導入における失敗要因の中でも、特に多いのが「サイズ設計のミス」です。
• 「宅配ボックスがあるのに荷物が入らない」
• 「結局、不在票が減らない」
• 「サイズが合っておらず使われなくなった」
こうした声の多くは、製品の品質ではなく、サイズ構成の考え方そのものに原因があります。
本記事では、マンション・オフィス・施設向けの導入を前提に、宅配ボックス選びで失敗しやすいサイズ設計の考え方と、その背景を実務目線で解説します。


サイズ設計の失敗は「導入直後」ではなく「運用後」に表面化する

サイズ設計の失敗は、設置直後には気づかれにくいのが特徴です。
導入からしばらく経って、
• 不在票が減らない
• 特定サイズだけ常に満杯
• 一部サイズがほとんど使われていない
といった形で、徐々に問題が顕在化します。
これは、サイズ設計が、実際の利用実態とズレていることを意味しています。


失敗しやすい考え方①「とにかく大型があれば安心」

よくある判断
• 大きい荷物にも対応できるよう大型を多めにする
• 「入らないよりは良い」と考える
なぜ失敗につながるのか
大型サイズは確かに必要ですが、利用頻度は決して高くありません。
結果として、
• 大型は空いている
• 中サイズが常に不足している
という状態が生まれます。
実務上の問題点
• 利用効率が悪い
• 「あるのに使えない」という不満につながる


失敗しやすい考え方②「小型中心なら数を確保できる」

よくある判断
• 小型を多くすれば口数を増やせる
• 省スペースで設置できる
なぜ失敗につながるのか
近年の宅配では、
• 箱が大きめ
• まとめ配送
• 日用品・食品・雑貨
といった 中サイズ以上の荷物が主流 になっています。
実務上の問題点
• 小型には入らない荷物が多い
• 配達員が使えず不在票対応になる


失敗しやすい考え方③「他物件と同じサイズ構成でよい」

よくある判断
• 近隣物件と同じ仕様を採用
• 過去の実績をそのまま流用
なぜ失敗につながるのか
物件ごとに、
• 入居者属性
• 利用時間帯
• 配送頻度
は大きく異なります。
実務上の問題点
• 実態に合わないサイズ構成になる
• 「うちの物件には合っていない」という評価が出る


失敗しやすい考え方④「住戸数だけでサイズ・口数を決める」

よくある判断
• 住戸数 ÷ 一定割合で設計する
• 数値上は問題ないと判断する
なぜ失敗につながるのか
重要なのは住戸数ではなく、
• 宅配の頻度
• 受け取り時間帯
• 在宅率
です。
実務上の問題点
• 夕方〜夜間に集中して満杯になる
• 実際の利用ピークを捉えられていない


サイズ設計で本当に見るべきポイント

失敗を防ぐためには、次の視点でサイズ設計を考える必要があります。


ポイント①「一番多い荷物サイズ」を基準にする

• 最大サイズではない
• 最小サイズでもない
• 最も利用頻度が高いサイズ
これを中心に構成することが、最も失敗しにくい考え方です。


ポイント② 入居者・利用者属性を具体化する

マンションの場合
• 単身中心か、ファミリー中心か
• EC利用頻度は高いか
オフィスの場合
• 書類・備品が多いか
• 機器・まとめ荷物が届くか
「誰が何を受け取るか」を言語化することが重要です。


ポイント③ サイズごとの「回転率」を意識する

• 大型:回転率は低い
• 中型:回転率が高い
• 小型:用途が限定されがち
サイズは「容量」ではなく「回転率」で考える必要があります。


ポイント④ 満杯になりやすいサイズを想定する

実務上、満杯になりやすいのは、ほぼ例外なく 中サイズ です。
• 利用頻度が高い
• 荷物の汎用性が高い
このサイズが不足すると、全体の評価が下がります。


ポイント⑤ 将来の変化を織り込む

• 宅配利用は増える傾向
• 荷物は小さくならない
サイズ設計では、
• 増設の可否
• 柔軟な構成
といった 将来対応力 も重要な要素です。


サイズ設計で失敗しないためのチェックリスト

• 一番多い荷物サイズを把握している
• 中サイズを中心に構成している
• 入居者・利用者属性を整理している
• 他物件の流用で決めていない
• 満杯になりやすいサイズを想定している
• 将来の利用増加を考慮している


宅配ボックスのサイズ設計における失敗は、「大きければ安心」「数が多ければ安心」といった感覚的判断から起こります。
重要なのは、
• 実際に多い荷物は何か
• 誰が、いつ、どのサイズを使うのか
を整理し、運用後の姿を具体的に想像することです。
サイズ設計を誤らなければ、宅配ボックスは「使われる設備」「評価される設備」として長期的に価値を発揮します。